なかなか理解されない介護の仕事

介護士は誰にでも勤まる簡単な仕事だと思われがちです。確かに、高齢者の身の回りの世話をすることがその仕事の主たる内容であり、それ自体多くの人が年老いた両親に対してやっていることと変わらないと思われるかもしれません。しかしだからといって、介護の仕事が単純だというわけではありません。

介護に専門知識が必要である証拠として、介護福祉士という国家資格も存在しています。事実、資格がなければ勤まらない仕事もたくさんあります。つまり介護のプロであるわけです。しかし、専門職であるにもかかわらず、その仕事の凄さが理解されないことに心を痛める人は少なくありません。実際、今まで介護職の給与が低かったのも、そういった理解の遅れが原因としてあったかもしれません。

現場レベルでも、介護スタッフ自身が仕事に対してやりがいを見出だせなくなる現状があるようです。介護という仕事の苦労について「あまり理解されていない」と感じる人は少なくありません。

社会からも、また現場からもプロとして認められないというのは、介護業界が抱える大きな問題かもしれません。ただ、介護の仕事はなかなか実績を可視化することが難しい側面があります。営業のように目に見える実績があるわけでもなく、自分の貢献が売り上げにつながったというような実感を得られるわけでもありません。

そのため、やりがいがなかなか見出せず、だんだん仕事をしている目的がわからなくなってしまうというのも介護スタッフの本音としてあります。そのため、介護スタッフたちのやりがいを生むためには、社会から専門家として認められ、キャリアアップが図れるような仕組みを作ることが重要だといえます。